役員報酬の決め方

群馬県前橋市で会計事務所を運営している税理士の清水です。

「法人を設立したけれど、役員報酬をいくらにしたらいいかわからない」

とても多くの方からこの質問を受けます。そこでこの記事では、役員報酬の決め方について解説します。

ちなみに、役員報酬=自分への給料 です。

 

役員報酬で悩む原因

「最初は売上が見込めないから、軌道に乗ってから報酬を決めよう」

普通はこう考えますが、法律上はだめで期限があるのです。

その期限は法人設立から3ヶ月以内、しかも一度決めたら決算まで変えられません。

設立から3ヶ月以内に向こう約1年の給料を先に決めるので、どうしたらいいかわからなくなるのです。

 

役員報酬=生活に必要な金額

向こう1年間の給料を決めるのは難しそうですが解決策はシンプルで、生活に必要な金額を把握することです。

役員報酬=生活費、すごく当たり前のようですが生活できなければ事業もできません。

そして、「役員報酬+家賃などの固定費=目標売上」です。

※固定費とは、毎月必ずかかる経費のことです。

まずは生活費からスタートして売上目標を決めることでモチベーションも上がります。

 

具体例

例えば、役員報酬30万+固定費20万であれば目標売上50万円。

目標を上回れば法人に利益が出ます。1年毎に役員報酬を増やすこともできます。

 

役員報酬を払えなかったら?

「役員報酬を払えなかったらどうなるの?」

一度決めた役員報酬は変えられませんので、たとえ払わなくても「法律上は払ったもの」として扱われます。

この「法律上」というのは、税金(所得税、住民税)と社会保険料のことです。

このとき法人口座から送金できなかった役員報酬は後で貰うことができます。

 

具体例

12月の役員報酬30万円を払えなかった→それでも30万円に対する税金と社会保険料は先に払う。

2月に目標売上を超えて余裕ができたので払った→お金は貰っても税金と社会保険料は支払済。

 

役員報酬と社会保険料の関係

役員報酬を決める際、少しの工夫で社会保険料を節約できることがあります。

よろしければこちらの記事も参考にして下さい。

関連記事:社会保険料を節約する役員報酬の決め方

 


 

私は役員報酬の基本は生活費と考えています。

しかし、1年目は役員報酬なしで貯金を取り崩すという方もいれば、売上が十分に見込めるので法人税とのバランスを取りたい(法人個人トータルの負担を下げたい)という方もいます。

相談したいことがありましたら、お気軽にご連絡下さい。