法人の決算を自力でするのは可能でしょうか?

群馬県前橋市で会計事務所を運営している税理士の清水です。

「自分で決算をできれば節約できる」

これは果たして可能なのかどうか?

あくまで私の考えですが、不可能とは言わないまでもやめておいたほうがいいです。

なぜその結論になるのか少し解説します。

 

解説の前に少し補足させて下さい。

この記事は最終的に税理士に頼んだほうがいいですよとなります。しかしそれは私を検討して下さいということではありません。

税理士を検討するのであれば、誰でもいいので相性が合って費用もちょうど良い方を探して下さい。

そして空いた時間を本業に使ったほしいのが趣旨です。

 

税理士契約している法人の割合

法人で税理士契約している割合はどれくらいでしょうか?国が統計資料を出しています。

これによりますと、89.4%(令和2年度) です。

残りの契約していない10.4%には事業を行っていない休眠会社、また社内に専門家がいる大企業も含まれていると思われます。

つまり中小規模で事業活動をしている法人は、ほとんどが税理士と契約しているということです。

 

しかし、ほとんどの法人が契約していると言ってもイコール自力決算が不可能ということではありません。

 

自分で決算をできる可能性

下記に該当する項目が多ければ多いほど自分で決算をできる可能性があると思います。

  • 経理の資料を整理して保管している
  • わからないことを面倒がらず調べられる
  • 事務作業の時間を取れる
  • パソコンが得意
  • お金の出入りが多くない業種
  • 簿記の知識が多少ある
  • 税金の知識が多少ある
  • 会計ソフトや税金のソフトを買える

 

クラウド会計で解決なのでは?

「さっきの項目、あまり該当しないけどクラウド会計を使えば決算できるのでは?自動経理と言っているし」

私の感想ですが、クラウド会計を使えば決算まで自動というのは難しいです。ある程度の知識がないと日々の経理業務でも使いこなせないです。

そのあたりの詳細についてはこちらの記事をご参照下さい。

クラウド会計で挫折した方へ

さらに次のようなデータがあります。先程の税理士と契約している割合の過去のものです

  • 平成28年 88.7%
  • 平成29年 88.9%
  • 平成30年 89.1%
  • 令和元年 89.3%

平成28年から令和元年と言えばクラウド会計がどんどん普及していった頃です。しかし契約割合は殆ど変わっていません。

クラウド会計は人によりますが業務を効率化できて便利です。しかし誰でも簡単に使えて、決算まで自動でできるとは考えない方がいいです。

 

自分で決算する手間

「几帳面だし簿記や税金の知識も頑張って調べる、クラウド会計も使いこなせる」

こういった方は決算を自分でできる可能性があります。しかし時間は非常にかかります。

時間がかかるのと慣れない作業で精神的にも疲弊します。そしてそれは本業に集中する時間を減らします。

自分で法人決算をした方のお話を聞いたことがありますが、もうやりたくないと言っていました。

 

ということで冒頭で補足したとおり、税理士契約をおすすめする内容になってしまいました。

繰り返しになりますが、私を売り込むつもりではありません。誰でもいいので相性が合って費用も納得できる方を探してみて下さい。

そして空いた時間を本業に集中する、これが一番重要です。