資本金を個人口座に入れたままにしておくとどうなるか

群馬県の前橋市で会計事務所を運営している税理士の清水です。

「そもそも資本金は法人口座に入れるんじゃないの?」という方に向けてこの記事を書いています。

 

設立前に法人名義の口座は作れない

まずは法人設立の流れを簡単にご説明します。

  1. 資本金を個人口座に入金
  2. 法務局で設立の手続き
  3. 法人の銀行口座開設

こういう流れです。

つまり、設立前に法人の銀行口座はありません。法人自体がまだ存在しないからです。

そこで、個人口座にいったん資本金を入金しておきます。

そして、設立後に銀行で法人名義の口座を開設して「個人口座→法人口座」の流れで資本金を移動するのです。

しかし、この「個人口座→法人口座」は、銀行や誰かが自動でやってくれるわけではありません。

その結果、資本金が個人口座に入ったままということになることが割とあるのです。

 

資本金が個人口座のままだと起きること

このように個人口座のままだと何が起きるのでしょうか?

社長が自分の会社(法人)から借金していることになります。

社長と法人は法律上別人ですから、法人からしたら自分の口座にあるべきお金が社長の口座にある=社長にお金を貸しているということです。

いきなり何か罰金というわけではないですが、法人に対して利息を払ったり融資審査に影響する可能性があったりと良いことはありません。

 

防ぐためにすべきこと

これを防ぐのは簡単で、次の2点です。

  1. 資本金は自由に使えないお金と認識する
  2. 法人口座を開設したらすぐに移動する

これだけですが、1について少し補足します。

たまに、設立時点で資本金が個人口座にあればいいので設立が終わればそのお金は自由に使える、と考えてしまう方がいらっしゃいます。

資本金は事業以外の用途では自由に使えないのでそれを先に認識しておくと、会社からの思わぬ借金にならずに済みます。