小規模会社の社長が覚えておきたい経費のポイント

群馬県の前橋を中心に、小規模事業者や創業者専門で税務・会計の「まるっと代行」を手掛ける、清水税理士事務所の代表税理士、清水一臣です。
起業の相談でよく質問を受けるのが、「どんな支出が経費になりますか」です。
起業前に会社勤務しているときは何が経費になるのか意識することはなく、職種によっては交通費などを精算することがある程度だと思います。 ところが、自分で事業をはじめると一気に考えが変わります。今まで経費は自分に関係ないか、あったとしても勤務している会社のお金でしたが、これからは自分のお金で払ううえに税金の額にも影響してきます。
今回は、これから起業・創業する方や起業間もない方に向けて何が経費として認められるのか、法人と個人で違うのかなどについて解説します。
経費の種類と実例
事業経営をするにあたってどんな種類の経費があるのか、実例を見て頂くのがわかりやすいと思います。
法人か個人か、従業員がいるかどうかなど状況で違いがありますので、ひとつの参考事例だとお考え下さい。
- 役員報酬
- 社長や役員の給与
- 給与
- 従業員さんの給与
- 仕入
- 売るための商品、作っている商品の原材料
- 外注
- 取引先に仕事を依頼する
- 租税公課
- 印紙、事業用資産の固定資産税など
- 荷造運賃
- 宅急便
- 水道光熱費
- 電気、ガス、水道
- 旅費交通費
- 仕事で外出した際の交通費(電車代、高速代など)
- 通信費
- 固定電話、携帯電話、光回線、切手代
- 接待交際費
- 仕事関係の人と飲食など、仕事関連の冠婚葬祭
- 損害保険料
- 事務所の火災保険
- 広告宣伝費
- 広告費用
- 修繕費
- 建物、器具などの修繕
- 消耗品
- 10万円未満の仕事用備品や道具、作業着
- 法定福利費
- 社会保険料
- 福利厚生費
- 従業員さんが残業したときの食事代など
- 利子割引料
- 事業用資金を借りた場合に支払う利息
- 地代家賃
- 事業所の家賃
- 新聞図書費
- 仕事のための書籍・資料、研修や勉強会
- 車両経費
- 自動車税、自動車重量税、車両保険、ガソリン代
- 支払手数料
- 税理士費用や銀行の手数料
- 雑費
- コンビニでのコピー料金など
- 創立費
- 法人設立の登記費用、会社の印鑑
このように色々な経費がありますが、共通している考えは次の2点です。
- 売上を上げるための支出
- 事業活動を維持するための支出
商品を売ったり作ったりする事業であれば仕入れはもちろん売上に直結しますし、広告宣伝費も売上を増やすための支出です。
事業所がなければ事業は行えませんので、事務所の家賃や水道光熱費は事業活動を維持するのに必要です。この経費の一覧は、どれも売上か事業維持のどちらかに関係しています。
経費にならない支出

一方で、社長の感覚だと経費でも税法上は経費にならない、という支出もあります。
たとえば社長が仕事で取引先に行き、帰りにレストランに寄り一人で食事をした。仕事のついでなので経費になりそうとお考えかも知れませんが、これは経費になりません。
顧客を接待するための食事であれば経費です、売上に繋がる可能性もありますので。ところが一人での食事は生活費と解釈されます。
無理にこじつければ、食事をしなければ生きられない=生きていなければ仕事もできないという考えもあるかもしれません。
しかし、一人の食事は仕事以前に生きるための支出=生活費なのです。
経費かどうか判断するには、売上や事業の維持に必要な支出なのか、それとも生活費や事業と関係ない個人的支出なのかで判断します。
余り知られていないけれど、実は経費になる支出
個人の感覚では経費になりそうだけれど経費ではない。こういった支出がある一方で、余り知られていない経費もあります。一例ですが、いくつかご紹介します。
たとえば旅費日当というものがあります。これは社長が仕事で遠方に出張した際、法人から社長にお金を渡すことができるものです。このお金は法人の経費になりますが、貰った社長に所得税や社会保険はかかりません。
他に、自宅が持ち家で事業所としても使用している場合、法人から社長に対して家賃を払うという方法があります。法人と社長は法律上別人ですので、法人は事業所を大家さん(社長)から借りている状態なのです。この家賃は社会保険料がかからず、金額を適正にすることで所得税負担も比較的軽くすることが可能です。
また、賃貸の自宅を事業所としても使用している場合、賃貸契約を法人にする方法もあります。たとえば、家賃10万円を法人で契約するとその10万円が経費になります。一方で法人契約の物件に社長が住んでいますので、法人は社長から適正な家賃を徴収しなければなりません。この「法人が大家さんに払う家賃」から「法人が社長から徴収する家賃」の差額が経費となります。
これは法人と個人で経費が違うものの代表例でもあります。
旅費日当は法人であれば社長にも従業員にも出せますが、法人でないと従業員にしか出せません。社長に家賃を払ったり、法人が賃貸契約するのも法人でしかできません。
領収書か、レシートか
経費は売上や事業維持に必要かという判断基準が重要ですが、もうひとつ「証拠書類として何を保管するか」も大切です。
経費を理解して事業に関係ある買い物をしても、その資料を無くしてしまっては経費にできませんので資料の保管は非常に大切です。
資料と言っても請求書や領収書など色々なものがありますが、ここでは領収書とレシートのどちらを貰えばいいのかについて説明します。
結論から言うと、レシートです。なぜなら、店舗にもよりますが領収書はレシートと違って品物の明細が記載されていないことが多いからです。
もしかしたら領収書でないと経費にならない、とお考えの方がいるかも知れませんがそんなことはありません。
「金額10,000円、品代」だけの領収書と、「コピー用紙2,000円+プリンターインク8,000円=合計10,000円」と明細が書いてあるレシートでは、証拠書類として適正なのは後者のレシートです。
ただし、レシートが出ないお店もあるのでケース別に解説します。
セルフレジ
ホームセンターや100円ショップなど、主にチェーンの店舗はセルフレジが設置されているケースがほとんどです。セルフレジは各社で仕様が違いますが、レシートと領収書を選べるレジの場合はレシートでOKです。
有人レジ
店員さんがいる有人レジで会計をするとレシートを貰いますので、領収書が欲しい場合は「領収書を下さい」と言わなければなりません。
これは自分もお店の人も余分に手間がかかるうえに、先ほど書いたようにそもそもレシートの方が証拠力も高いです。つまり領収書をわざわざ頼む必要がありません、そのままレシートだけ貰って下さい。
レシートが出ないお店
これはレジが無い(電卓などで手計算)か、あってもレシートに店名や品名が印刷されないレジを使用しているお店です。この場合だけは領収書を依頼して下さい。
「小規模会社の社長が覚えておきたい経費のポイント」まとめ
- 経費になる支出
売上を上げるための支出と、事業活動を維持するための支出が経費になる。 - 経費にならない支出
仕事のついでに一人でした食事など、生活費や事業と関係ない個人的な支出は経費にならない。 - 実は経費になる支出
旅費日当、法人から社長への家賃、自宅の賃貸契約を法人にする方法など。これらは法人でないとできない(旅費日当は法人でないと従業員にしか出せない)。 - 証拠書類はレシート
資料を無くすと経費にできないので保管が大切。明細が書いてあるレシートの方が証拠書類として適正で、レシートが出ないお店の場合だけ領収書を依頼する。
弊社では、会社設立時の各種相談から設立後の面倒な経理の「まるっと代行(丸投げ)」まで、小規模事業者様をトータルでサポートしております。
群馬の前橋や前橋周辺市町村で小規模な会社様を全力でサポートするため、初回のご相談は無料で承っております。「こんなこと聞いてもいいのかな?」と思うようなことでも、お気軽にお問い合わせください。しつこい営業は一切いたしません。
「小規模会社の経費」に関するよくある質問
経費になりません。一人での食事は、仕事以前に生きるための支出=生活費と解釈されます。顧客を接待するための食事であれば経費になります。
旅費日当は、法人であれば社長にも従業員にも出せますが、法人でないと従業員にしか出せません。法人が社長に出した旅費日当は法人の経費になり、貰った社長に所得税や社会保険はかかりません。
レシートです。領収書は品物の明細が記載されていないことが多く、明細が書いてあるレシートの方が証拠書類として適正です。レジが無いお店や、レシートに店名や品名が印刷されないお店の場合だけ、領収書を依頼してください。
執筆者紹介

税理士 清水 一臣しみず かずおみ
清水税理士事務所 代表
群馬県前橋市・高崎市を中心に活動する清水税理士事務所、代表税理士の清水一臣です。元営業マンの経験を活かし、社長ひとりや従業員数名の小規模な会社様の税務・会計を「まるっと代行」し、本業に集中できるようサポートしています。





