会社設立の決算月はいつが良い?設立月の前月にすべき最大の理由

群馬県前橋市、高崎市を中心に、小規模事業者や創業者専門で税務・会計の「まるっと代行」を手掛ける、清水税理士事務所の代表税理士、清水一臣です。

これから前橋市や高崎市周辺で会社を設立して起業しようとお考えの方から、「会社の決算月って、いつにするのが一番良いのでしょうか?」というご質問をよくいただきます。

会社のルールブックである「定款(ていかん)」を作成する際、必ず決算月を書き込まなければならないため、ここで悩まれる創業者は非常に多いのです。

個人事業主であれば、決算月は自動的に12月と決まっていますが、法人の場合は自由に決めることができます。自由と言われると、かえって迷ってしまいますよね。桜の咲く4月が良いのか、切りの良い12月が良いのか、それとも自分の誕生月にしようか……など、色々な考えが浮かぶかもしれません。

しかし、税理士の視点からお答えすると、決算月を決める上で最も重視すべきなのは「税金(特に消費税)」のメリットをいかに長く受けられるか、という点です。

今回は、会社設立時の決算月をいつに設定すべきか、税金面で最も有利になる「最大の理由」と、逆に気をつけなければならない「例外のケース」について、プロの視点から分かりやすく解説します。

会社設立時の「決算月」はどう決める?法人は自由に設定可能

まず大前提として、会社(法人)の決算月はどのように決めるものなのでしょうか。まずは個人事業主との違いから確認しておきましょう。

個人事業主は「12月」固定、会社(法人)は好きな月を選べる

個人事業主としてビジネスをしている場合、事業のスタートが何月であっても、決算期は「12月」に固定されています。毎年1月1日から12月31日までの1年間の利益に基づいて税金を計算し、翌年に確定申告を行うというルールが法律で定められているからです。

一方、株式会社や合同会社といった「法人」の場合、決算月は1月から12月まで、どの月を選んでも法律上まったく問題ありません。後から変更することも可能です。

決算月とは、会社の成績(利益)を計算する期間(事業年度)の最後月のことです。そして、決算月の翌日から2ヶ月以内に、税務署へ法人税などの申告と納税を行うことになります。例えば、3月を決算月に設定した場合は、5月末日が申告・納税の期限となります。

このように自由に決められるからこそ、適当に選んでしまうと後々「こんなはずじゃなかった……」と後悔することになりかねません。次項で、最もお得な設定方法をご紹介します。

税理士がおすすめする決算月は「設立月の前月」!最大の理由とは

では、自由に選べる決算月をいつに設定するのが正解なのでしょうか。結論から言いますと、決算月は「設立した月の前月」が良いです。例えば、4月に会社を設立するのであれば、決算月は「3月」にするということです。

設立から最大2期間「消費税が免除される」特例を活用する

なぜ「設立月の前月」が良いのか。その最大の理由は、「消費税の免税期間」を最大限に引き延ばすことができるからです。

起業したばかりの会社にとって、消費税の負担は想像以上に重くのしかかります。しかし、会社を設立したばかりの時は、原則として例外はありますが「設立から最大2期間は消費税が免除される」という非常にありがたい特例(免税事業者)が用意されています。

この「最大2期間」というルールにおいて、1期(1事業年度)の長さをどれだけ長く取れるかが、資金繰りの大きなカギを握ります。会社の1期目は、「会社を設立した日(登記日)」から「最初に迎える決算月の末日」までとなります。つまり、設立した月の前月を決算月に設定すれば、1期目の期間がまるまる「12ヶ月間(1年間)」となり、免税の恩恵を最も長く受けられるのです。

【具体例で比較】4月設立で「3月決算」と「5月決算」にした場合の違い

言葉だけでは少し分かりづらいかもしれませんので、具体例を使って、実際にどのくらい免税期間が変わってくるのかを比較してみましょう。

【例1:4月に設立して、設立月の翌月である「5月」を決算月にした場合】

  • 初年度(1期目):4月~5月(2ヶ月間)
  • 2年目(2期目):6月~翌年5月(12ヶ月間)
この場合、1期目がたったの2ヶ月で終わってしまいます。消費税が免除されるのは2期目までなので、免税期間は「2ヶ月+12ヶ月=14ヶ月間」となります。

【例2:4月に設立して、設立月の前月である「翌年3月」を決算月にした場合】

  • 初年度(1期目):4月~翌年3月(12ヶ月間)
  • 2年目(2期目):4月~翌年3月(12ヶ月間)
この場合は、1期目がフルの12ヶ月間になります。免税期間は「12ヶ月+12ヶ月=24ヶ月間(丸2年)」となります。

いかがでしょうか。5月決算にした場合は14ヶ月間、3月決算にした場合は24ヶ月間。なんと、決算月の選び方ひとつで消費税を払わなくて済む期間に「10ヶ月間」もの差が生まれるのです。起業直後の資金繰りが厳しい時期に、10ヶ月分の消費税を払うか払わないかは、会社の資金繰りに非常に大きな影響があります。これが、決算月を「設立月の前月」にすべき最大の理由です。

ただし例外も!決算月を設立月の前月に「しなくてもいい」ケース

基本的には「設立月の前月」をおすすめしますが、すべての会社に当てはまるわけではありません。お客様の状況によっては、あえて別の月を決算月にした方が良いケース(例外)も存在します。

資本金1,000万円以上で設立する場合(最初から消費税がかかる)

先ほど、「設立から最大2期間は消費税が免除される」とお伝えしましたが、これには資本金の額などによって条件があります。

過去のコラム(会社設立時の「資本金」は少なくても大丈夫?1円起業の罠と適正額)でもお話ししましたが、資本金の額は設立後の税金に大きく影響します。もし、許認可の要件などでどうしても最初から資本金を1,000万円以上にして会社を設立する場合、残念ながら1期目から消費税の納税義務が発生してしまいます。

免税期間のメリットがないため、この場合は「設立月の前月」にこだわる必要はなくなります。資金繰りや本業のサイクルに合わせて、自由に決算月を設定して構いません。

設立初年度からインボイスに登録する場合

お客様の業種や状況によっては、法人設立と同時にインボイスに登録した方が営業活動をしやすい場合があります。

ここで注意点は、インボイス登録=消費税の納税義務者 です。

インボイスに登録すると設立初年度から消費税の納税義務者になり、最大2期間の免除は利用できませんので、決算月を設立月の前月にする必要はなくなります。

この場合に大事なことは、できれば法人を設立する前に税理士などに相談して、インボイス登録するメリット(仕事を取りやすいなど)と、デメリット(納税の負担)を確認しておくことです。

本業の「繁忙期」と決算・申告の時期(決算月の2ヶ月後)が重なる場合

もう一つの例外は、本業が忙しくなる「繁忙期」と、決算作業・税金支払いの時期が重なってしまうケースです。

法人の決算申告と納税の期限は、「決算月の2ヶ月後」です。例えば3月決算なら、5月末が申告・納税の期限となります。

もし、お客様のビジネスの繁忙期が5月だった場合どうなるでしょうか。ただでさえ本業が忙しくて休む暇もない時期に、税理士との決算の打ち合わせや、書類の確認、そしてまとまった税金の支払い(資金繰り)まで重なってしまいます。これでは、本業のチャンスを逃してしまったり、精神的な負担が大きくなりすぎたりしてしまいます。

そのため、ご自身のビジネスの売上が大きく伸びる繁忙期や、資金繰りが厳しくなる時期を事前に予測し、そこから逆算して「決算申告の時期(決算月から2ヶ月後)が、できるだけ時間と資金に余裕がある時期」になるよう、あえて決算月をズラすという戦略も有効です。

「会社設立の決算月の決め方」まとめ

  • 法人の決算月は自由に決められる
    個人事業主とは違い、株式会社や合同会社は好きな月を決算月に設定できます。
  • 「設立月の前月」が一番お得
    消費税の免税期間(最大2期間)を最大限長く受けるため、基本は「設立月の前月」にするのがベストです。
  • 例外ケースに当てはまらないか確認する
    資本金1,000万円以上での設立や初年度からインボイスに登録する場合、または本業の繁忙期と決算時期が重なる場合は、別の月も検討しましょう。

会社を設立する際、決算月をいつにするかだけでなく、資本金の額はどうするか、青色申告の申請手続きはどうするかなど、決めなければならないことや期限のある手続きが山のようにあります。これらを起業家ご自身がすべて調べながら進めるのは、非常に時間と労力がかかります。

群馬県前橋市・高崎市の清水税理士事務所では、会社設立前のご相談から、設立時の最適なアドバイス、そして設立後の面倒な経理の「まるっと代行(丸投げ)」まで、小規模事業者様をトータルでサポートしております。「税理士は偉そうで相談しにくい…」といった心配はご無用です。サービス業として、お客様が本業に集中できる環境を全力で整えます。

初回のご相談は無料ですので、会社設立をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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「会社設立の決算月」に関するよくある質問

はい、可能です。株主総会で定款変更の決議を行い、税務署等へ異動届出書を提出することで変更できます。法務局への登記費用はかかりませんが、手続きの手間が発生します。

法律上は月の中旬を決算日にすることも可能です。しかし、取引先からの入金や支払いの締め日は月末であることが多いため、経理処理が非常に複雑になります。特別な理由がない限り、月末を決算日にすることをおすすめします。

12月に合わせる必要はありません。法人成りでも「設立月の前月」を決算月にし、消費税の免税期間を最大限に活かすのが一般的です。

適用されますが、インボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)の登録を受ける場合は、登録日から消費税の課税事業者となります。取引先の状況により免税のままいくか登録するかを慎重に判断する必要があります。

原則として「決算日の翌日から2ヶ月以内」です。例えば3月31日決算の場合、5月31日が申告と納税の期限となります。

日本の法人で最も多いのは「3月決算」で、国や自治体の年度と一致しているためです。ただし、小規模事業者の場合、他社に合わせることでの直接的な有利・不利は特にありません。ご自身の資金繰りや消費税免税のメリットを優先して決めるのが一番です。

執筆者紹介

代表

税理士 清水 一臣しみず かずおみ

清水税理士事務所 代表

群馬県前橋市・高崎市を中心に活動する清水税理士事務所、代表税理士の清水一臣です。元営業マンの経験を活かし、社長ひとりや従業員数名の小規模な会社様の税務・会計を「まるっと代行」し、本業に集中できるようサポートしています。

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群馬県前橋市、高崎市で小規模事業者様の税務・会計まるっと代行を手掛ける、税理士の清水一臣です。 「毎月の顧問料は節約したい…」「日々の経理は自分で(会計ソフトで)やってみて、最後の『決算申告』だけを税理士に安く頼めないだろうか?」 前橋市・高崎市で事業をされている社長様から、このようなご相談をいただくことがあります。毎月の固定費を抑えたいというお気持ちは、経営者として当然のことだと思います。 しか...

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