決算直前でも間に合う!小規模法人の駆け込み節税対策を税理士が解説

前橋・高崎の清水税理士事務所、代表税理士の清水一臣です。小規模事業者や創業者専門の税務・会計「まるっと代行」で、群馬県の小規模事業者や創業者を支援しています。
会社の決算月も残りわずか。1年間の帳簿を整理してみたら「想像以上に利益が出ていて、このままだと法人税がとんでもない金額になりそうだ!」と慌ててしまった経験はありませんか?
本来、節税対策は数ヶ月前から計画的に行うのがベストですが、事業に集中していると決算直前まで気づかないことも少なくありません。
「あと数日で決算が締まってしまうけれど、今からでも間に合う節税はないの?」
そんなお悩みを持つ経営者様に向けて、今回は決算直前でも間に合う小規模法人向けの合法的な節税対策と、絶対にやってはいけない注意点について分かりやすく解説します。
目次
駆け込み節税の王道 少額減価償却資産の特例
決算直前にお金を使って経費を増やす場合、一番使い勝手が良いのが「少額減価償却資産の特例」です。
30万円未満のパソコンや備品をその年の経費にできる
通常、10万円以上の備品を買うと、その全額をすぐに経費にすることはできず、何年かに分けて経費にしなければなりません(減価償却)。
しかし、青色申告をしている小規模法人であれば、パソコン、コピー機、オフィス家具など「30万円未満」のものを買ったその年に、一括で全額経費として落とすことができる特例があります。
「ちょうど古くなったパソコンを買い替えようと思っていた」「事業に必要な新しい機材を検討していた」という場合、決算前に購入することで大きな節税効果が得られます。
【要注意】 決算日までに「納品され、使い始めている」ことが絶対条件
ここで非常に陥りやすい罠があります。
「よし、決算日の今日、ネットで30万円未満の機材を注文してクレジットカードで決済したぞ!」と安心していませんか?
実はこれ、今年の経費にはなりません。特例を使うためには、決算日までに「モノが会社に届いていて、実際に事業で使い始めていること」が絶対条件なのです。決算日ギリギリの注文で納品が翌期になってしまうと、経費になるのも翌期に持ち越されてしまいます。
現金を使わずに経費を増やす未払費用の計上
お金を使ってモノを買うばかりが節税ではありません。「まだ現金を支払っていないけれど、今年の経費として計上できるもの」を拾い上げるのも、立派な節税対策です。
給料や社会保険料の「締め日〜月末」のズレを漏らさず経費にする
例えば、従業員の給料が「毎月20日締め・翌月10日払い」で、決算日が月末(3月31日など)の会社の場合。
3月分(4月10日支払い)の給料は決算日時点ではまだ支払っていませんが、すでに従業員は働いてくれています。この3月分の給料を「未払費用」として今年の経費に入れることができます。
社会保険料についても、当月分を翌月末に支払う仕組みのため、決算月分の社会保険料は「未払費用」として今年の経費に計上できます。
クレジットカードで買った備品も、引き落とし前に今年の経費にできる
決算月内に事業用のクレジットカードで経費となる買い物をした場合、銀行口座から引き落とされるのは翌月以降になりますよね。
この場合も、買ったモノがすでに手元にあるのであれば、お金の引き落としを待たずに「未払金」として今年の経費に計上することができます。
これらの未払費用をしっかり拾い上げるだけで、手元の現金を一切減らさずに利益を圧縮することができます。
大きな利益が出たなら「決算賞与」や「共済の年払い」も有効

もし数百万円単位の大きな利益が出ていて、会社に現金の余裕があるのなら、以下のような方法も考えられます。
従業員へ還元する「決算賞与」
予想以上の利益が出たなら、頑張ってくれた従業員に「決算賞与(ボーナス)」として還元するのも良い方法です。支払った賞与は全額経費になりますし、従業員のモチベーションアップにも繋がります。
ただし、「決算日までに全従業員に支給額を通知し、決算日から1ヶ月以内に実際に支払う」という厳格なルールを守らないと今年の経費として認められないため、手順には十分注意してください。
経営セーフティ共済の「年払い」は手続きのタイムリミットを確認
過去のコラム(節税でかえってお金が減る!?やってはいけない節税と正しい資金の残し方)でお伝えした「経営セーフティ共済(倒産防止共済)」は、掛金が全額経費になり、将来解約すれば戻ってくるという優れた制度です。
この掛金を、決算直前に「向こう1年分を前払い(年払い)」することで、大きな経費を作ることができます。ただし、銀行などの窓口で手続きをし、決算日までに掛金の引き落とし(または振込)が完了していなければならないため、ギリギリすぎると間に合わないことがあります。
税理士からの警告!無駄な買い物で会社を潰さないために
節税対策として色々な方法をご紹介しましたが、最後に税理士として絶対にお伝えしておきたいことがあります。
節税ために不要なものを買うのは本末転倒
過去のコラム(節税でかえってお金が減る!?やってはいけない節税と正しい資金の残し方)でも強調しましたが、「税金を払いたくないから」という理由だけで、本当は必要のない車や高級な備品を買うのは、絶対にやめてください。
税金を減らすために手元の現金を使い果たしてしまえば、万が一売上が落ちた時に会社が立ち行かなくなります。会社を守ってくれるのは、節税で買った備品ではなく、銀行口座にある「現金」です。
「決算直前の駆け込み節税」まとめ
- 30万円未満の特例を活用
パソコンなどは全額経費にできますが、決算日までに使い始めていることが条件です。 - お金を使わない「未払費用」
給料や社会保険料などの未払分を漏らさず計上し、現金を減らさずに利益を減らします。 - 決算賞与や共済の年払い
資金に余裕があるなら有効ですが、支給ルールの遵守や手続きの期限に注意が必要です。 - 不要な買い物は絶対にNG
税金を減らすために不要なものを買って会社の現金を減らすのは本末転倒です。
決算間際になって慌てる一番の原因は、「自社が今、どれくらい利益を出しているか」を正確に把握できていないことにあります。社長が本業に集中しながら、毎月の利益や納税予測を正確に把握するためには、プロのサポートが欠かせません。
「決算直前だけど何とかしたい」「来期から経理を丸投げしたい」という方は、ぜひお気軽に群馬県前橋市・高崎市の清水税理士事務所の無料相談をご利用ください。しつこい営業などは一切いたしません。社長様が安心して本業に専念できる環境づくりを、誠心誠意お手伝いいたします。
「決算直前の節税」に関するよくある質問
いいえ、今年の経費にはなりません。購入(決済)しただけでなく、決算日までに会社に「納品」され、設定を終えて「事業で使い始めている」ことが必要です。決算日に注文して翌期に届いた場合は、翌期の経費となります。
「短期前払費用の特例」という制度を使えば可能です。決算日までに翌 1年分の家賃をまとめて支払い、かつ、今後も毎年「年払い」を継続するという条件を満たせば、支払った1年分の家賃を今年の経費に計上できます。ただし、手元の現金が大きく減る点には注意が必要です。
一定の要件を満たせば、決算日の後(決算日から1ヶ月以内)に支払っても今年の経費にできます。その要件とは、「決算日までに、従業員全員に対してそれぞれの支給額を通知していること」と「決算日までに未払金として経理処理すること」などです。通知した証拠を残すことも重要です。
はい、有効な節税対策です。流行遅れや劣化でどうしても売れない不良在庫がある場合、決算日までに廃棄処分を行えば「廃棄損」として経費に計上でき、利益を減らすことができます。廃棄した事実を証明するために、業者からの証明書や廃棄時の写真を残しておくことをおすすめします。
執筆者紹介

税理士 清水 一臣しみず かずおみ
清水税理士事務所 代表
群馬県前橋市・高崎市を中心に活動する清水税理士事務所、代表税理士の清水一臣です。元営業マンの経験を活かし、社長ひとりや従業員数名の小規模な会社様の税務・会計を「まるっと代行」し、本業に集中できるようサポートしています。





