法人成りのベストタイミングはいつ?個人事業主向けに解説

群馬県前橋市、高崎市で小規模事業者様の税務・会計まるっと代行を手掛ける、税理士の清水一臣です。
個人事業主として事業が軌道に乗ってくると、多くの方が一度は考えること。それが「法人成り(ほうじんなり)」ではないでしょうか。
「法人成りした方が、税金が安くなるって本当?」
「取引先から、法人じゃないと契約しにくいと言われて…」
「タイミングはいつが良いんだろう?」
これは、事業の今後を左右する非常に大きな決断です。
この記事では、前橋市・高崎市で頑張る個人事業主様 に向けて、法人成りを考える上で知っておいていただきたい基本的な違いや、判断の基準についてお話しします。
目次
「法人」と「個人」、何が違うのでしょうか?
まず、よく「法人ですか?個人ですか?」 と聞かれることがありますが、この違いからご説明します。
そもそも「法人成り」とは?(登記の有無)
「個人」とは、個人事業主のことです。 ご自身の名前で事業を行い、契約もできます。
「法人」とは、株式会社や合同会社のことです。法務局で「登記」をすることによって、法律上の「人格」が作られ、会社名義で契約や銀行口座の開設ができるようになります。
「法人成り」とは、この「個人」事業主が、新たに「法人」を設立し、事業を引き継ぐことを指します。
変わること1 税金の種類(所得税 → 法人税)
個人事業主の場合、1年間の利益(所得)に対して「所得税」がかかります。 所得税は、利益が大きくなるほど税率も高くなる「累進課税」です。
一方、法人の場合は、利益に対して「法人税」がかかります。 法人税も利益に応じて税率が変わりますが、所得税とは計算方法や税率が異なります。
変わること2 決算期(12月固定 → 自由に設定可能)
個人事業主の決算期は、法律で「1月1日から12月31日まで」と固定されています。
一方、法人は、決算月を自由に設定できます。 例えば、ご自身の事業の繁忙期を避けて決算月を設定する、といった柔軟な対応が可能です。
法人成りを検討する主な「理由」

では、どのような理由で皆さんが法人成りを検討されるのでしょうか。
理由1 税率の違いによる「節税」のメリット
最も多い理由が「節税」です。
先ほど、所得税は利益が上がるほど税率も上がるとお話ししました。ある一定の利益(所得)を超えると、所得税として納める税額よりも、法人税として納める税額の方が少なくなる逆転現象が起こります。
また、法人にすると、ご自身への給与を「役員報酬」として経費にでき、ご自身は「給与所得控除」というサラリーマンと同じような控除を使えるため、税負担が軽減されるケースがあります。
理由2 対外的な「信用」の向上(取引先、金融機関など)
事業を拡大していく上で、「信用」は非常に重要です。
業種によっては、取引先が「法人」でなければ契約してくれない、というケースもあります。また、金融機関から融資を受ける際にも、一般的に個人事業主よりも法人の方が「信用」があると見なされやすい傾向があります。
理由3 社会保険への加入(メリットとデメリット)
これはメリットであり、同時にデメリット(コスト増)にもなる点です。
個人事業主の場合、国民健康保険と国民年金に加入します。
一方、法人の場合は、社長おひとりでも原則として「社会保険(健康保険・厚生年金)」に加入する義務があります。
社会保険は、将来受け取れる年金額(厚生年金)が手厚くなるなどのメリットがありますが、保険料の半分を会社も負担しなければならないため、個人事業主時代と比べて「社会保険料の負担額」が大きく増えるケースがほとんどです。
ベストタイミングを考える「見落としがちな注意点」
税金や信用のメリットだけを見て法人成りを決めてしまうと、「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうかもしれません。特に以下の3点は、よくご相談いただく「見落としがちな注意点」です。
注意点1 住宅ローンが組めなくなる?(起業・法人成りの前に)
これは非常に重要です。もし、近い将来(数年以内)にマイホームの購入や、住宅ローンの借り換えを検討している場合は、特にご注意ください。
金融機関のローン審査において、「会社員(サラリーマン)」は最も信用が高いとされます。
法人成りをして「会社の社長」になると、金融機関からは「自営業者」と見なされ、審査が厳しくなるのが一般的です。
多くの場合、「法人設立後、最低でも1年~3年分の決算書」の提出を求められるため、法人成りをした直後の数年間は、住宅ローンを組むことや借り換えが難しくなってしまいます。
もし住宅購入の計画があるなら、「個人事業主のうち」あるいは「法人成りする前」のタイミングでローンを組んでおく、という判断も必要になります。
注意点2 設立コスト(資本金は少額でも大丈夫です)
法人成りには、株式会社であれば約20数万円、合同会社でも約6万円~の設立登記費用(実費)がかかります。
また、「資本金はいくら必要ですか?」というご相談も多いですが、私の考えでは、事業の運転資金とは別に、見栄のための多額の資本金を用意する必要はありません。
設立してすぐの不安定な時期は、社長個人の生活資金を安定させることが最優先です。
資本金を1万円~10万円程度 に抑え、残りの資金は社長個人の手元に残しておき、必要に応じて法人に「貸し付ける」形をとるほうが、柔軟な資金繰りが可能になります。
注意点3 経理作業の難易度が上がります(法人は複雑)
これは、日々の「面倒」に直結する問題です。
個人事業主の確定申告(青色申告)と比べ、法人の会計処理や決算申告書の作成は、格段に難易度が上がります。
個人事業主時代はご自身で会計ソフトを使って申告までできていた方でも、法人成りした途端に「複雑で手に負えない」とご相談に来られるケースは非常に多いです。
「設立後の経理作業をどうするか」も、法人成りのタイミングで一緒に考えておく必要があります。
前橋市・高崎市の個人事業主様へ
「売上いくら」という単純な答えはありません
ここまでお話ししたように、法人成りのタイミングは、
- 税金のメリット
- 信用のメリット
- 社会保険料のコスト増
- 社長個人のライフイベント(住宅ローン)
- 設立後の経理の面倒
これらを総合的に判断する必要があります。
「売上(利益)がいくらになったら法人成りすべき」という単純な答えは無いのです。
大切な決断だからこそ、勧誘のない「無料相談」を活用しませんか
「自分の場合は、いつがベストなんだろう?」
もしそうお悩みでしたら、ぜひ一度、清水税理士事務所の無料相談をご利用ください。
私は、以前営業職をしていた経験から、契約の勧誘は不快ですし、お互いに良いことが何もないと考えています。
ご相談は、私自身の経験値を上げさせていただく貴重な機会 であり、何か一つでもお役に立てれば という想いで承っています。
無理に法人成りを勧めることはありません。社長様の状況をじっくりお伺いし、一緒に考えるお手伝いをさせていただきます。
「法人成りのタイミング」まとめ
- 「法人」と「個人」の違い
法人成りとは個人事業から「法人(株式会社など)」になることです。税金(所得税→法人税)や決算期(12月固定→任意)が変わります。 - 主なメリット
税金(節税)や、対外的な「信用」の向上が期待できます。 - 見落としがちな注意点
社会保険料の負担増や、経理作業の難易度が上がる といった注意点があります。 - ライフプランも重要
「住宅ローン」の審査 など、個人のライフプランも考慮してタイミングを決める必要があります。 - 答えは一つではない
「売上いくら」という単純な答えはないため、ご自身の状況に合わせて専門家と相談するのが合理的です。
法人成りは、社長の事業と生活にとって大きな分岐点です。前橋市・高崎市でご自身のタイミングに悩んだら、お気軽にお声がけください。
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群馬県前橋市・高崎市の小規模な会社様を全力でサポートするため、初回のご相談は無料で承っております。「こんなこと聞いてもいいのかな?」と思うようなことでも、お気軽にお問い合わせください。しつこい営業は一切いたしません。
執筆者紹介

税理士 清水 一臣しみず かずおみ
清水税理士事務所 代表
群馬県前橋市・高崎市を中心に活動する清水税理士事務所、代表税理士の清水一臣です。元営業マンの経験を活かし、社長ひとりや従業員数名の小規模な会社様の税務・会計を「まるっと代行」し、本業に集中できるようサポートしています。



